第17回ハンナ・アーレント『人間の条件』読書会@中原市民館(2022.09.17) 参加レポート

2022年09月17日(土)第17回ハンナ・アーレント『人間の条件』の読書会@川崎市総合自治会館に参加してきました。今回は2度目の参加となります。

読書会には、主催の横井史恵さん・千葉大教授の佐藤和夫先生をはじめとした前回ご一緒した方々に初参加の方1名が加わり、20~80代の総勢10名が集まりました。

前回は質問したいことだらけにもかかわらず予定のため無念の中座となってしまった反省から、今回は話すポイントを絞り、他の参加者の発言を妨げないように意識しました。後ほどのメモの通り、ぼんやりとした認識の言語化を進められたことが大きな収穫となりました。

横井さん、佐藤先生、読書会に参加されていたみなさま、今回もありがとうございました。

イベント詳細

ハンナ・アーレント『人間の条件』読書会/p.65~社会的なるものの勃興

■講座の案内役 千葉大学名誉教授 佐藤和夫氏

■日時 2022年9月17日(土)13:00~16:00

■場所
 川崎市総合自治会館 小会議室3
 川崎市中原区小杉町3-600 コスギサードアヴェニュー4階

■定員 12名

■会費(会場費・懇親会費等)1000円

~講座の詳細~
2013年に日本でも公開された伝記映画「ハンナ・アーレント」
この映画のヒットを契機として『悪の陳腐さ』という衝撃的な内容とともに、国内でも広くしられる事となった20世紀の偉大な女性哲学者である。彼女の主著『人間の条件』は、1人では一行も読み進められないとの誉れ高き難書であるが、60年も前に著されたこの本は、現代を生きる私たちに多くの気付きを与える。
21世紀を生きる私たちのこれからを考え、より良い未来を創るために「いまこそ!」おおいに語り合おうではありませんか!!
この名著を読み解く道先案内人として、国内アーレント研究の第一人者、千葉大学名誉教授 佐藤和夫先生をお招きします。
(佐藤和夫氏 著作 <政治>の危機とアーレント -「人間の条件」と全体主義の時代)


【イベントに参加される皆さまへ】 
◯ 『人間の条件』をみなで読みながら理解するよう努力する。知らないこと、わからない言葉・不明点は、率直に出し合いながら、理解を深めていきます。
◯ 他者の意見を否定しない。参加者それぞれの「かけがえのない」経験や考えを出し合い、互いに聞きあいます。
◯ アーレントの提示する重要概念の1つ「活動(アクション)」=お互いの経験や考えを、正否や利害にかかわらず、語り合い、それを見聞きしながら、それぞれの「かけがえのなさ」に触れることを文字通り実践します。

こちらのfacebookページより抜粋

目次

当日の様子

世代を超えた20~80代の10名が集まりました
one nation, one language, one stateという近代の原理について語る佐藤先生
佐藤和夫先生の新刊『〈政治〉のこれからとアーレント 分断を克服する「話し合い」の可能性』をご紹介いただきました。

メモ

まず、他参加者の方々が「我々(年配の参加者)」と「若者」を主語としてその違いに関心を向けている状況のなか言語化を進められた部分を、感想レベルではあるけれども残しておきたい。その時は、今の「若者」が生きている社会は画一化社会である云々の話の流れであった。

その中で、「年配」・「若者」とまとめて語るのは安易だと自覚しつつも、簡単のためにあえて二項対立的に2つのスタンスを整理することができるだろうと見切り発車で話し始めてみた。

1つ目は、異なることを前提として人々の間で共有できているあり方。こちらは、互いに違っているかもしれないが、それでも共有できるものがあるかを対話によって探すための出発点になる。

もう1つは、あるべき姿(「普通」・「正解」)が初めからインストールされているあり方。こちらは、そうはいっても現実には完全に思い通りに生きることのできないほぼすべての人間にとっては常に「正解」と自分自身との距離を意識させられてしまう。ただし、そんな自分を否定するわけではなく、むしろ「人それぞれ」という言葉が保護してくれているのではないか。もっとも、これは画一化と個人化が同時に進んでいるともいえそう。

読書会では話の流れで前者を「年配」世代、後者を「若者」世代に当てはめてみたが、安易な二項対立であることは自覚していることを再度述べておく。

それでも、今までは「『多様性』は<認める>ものではなくて<すでにある>」ものだろうと考えていたにとどまる事柄について言葉で説明できる部分を広げられたので、意義のある読書会だった。

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